千葉市長選・市議会議員補欠選挙で考えたこと
熊谷市長が再選を果たされました。
まずは、「おめでとうございます」とのお祝いの言葉をお送りしたいと思います。
今回の選挙では、私たちみんなの党千葉市議団は、誰かを支持・支援するというスタンスは取りませんでした。
理由の一つは、前市長の汚職逮捕を受けての熊谷市政の4年間、議会でも何度も申し上げてきた通り、
市長の行財政改革の方向性(「質」)は正しいと考えておりますが、政令市最悪の財政状況の中にあって、
まだまだスケールと申し上げますか「量・スピード感」といったものが全然足りないからです。
もう一つは、議会の果たすべき役割、議員の存在意義の観点からです。
そもそも私たちの会派は、市長与党でも市長野党でもなく、政策ごとに是々非々で判断しています。
我々の仲間を党公認で出馬させるというなら別ですが、そうではない候補者を選挙で支援・支持するということには違和感があります。
二元代表制の下、市長と議員が緊張関係を持って対峙し、市長をトップとする執行部を監視・チェックすることが必要だからです。
前回対立候補を支援した会派(党)が今回は支持する側に回ったり、対立候補の擁立をあえて見送るなど、露骨な権力への擦り寄りが見受けられました。
このまま議会がオール与党化してしまっては、馴れ合い・持たれ合い政治に逆戻りしてしまうでしょう。
国の借金1000兆円、千葉市の借金1兆円は、議会が自らの監視・チェック機能を放棄した、馴れ合い政治の末の果てです。
地方議会においては、与党とか野党とか会派(党)という概念自体、本来馴染まないものです。
確かに、市長与党となれば、自分たちの政策が実現しやすくなるというメリットがあり、いろいろと考えはあると思いますが、
まだ短い議員生活の現時点での私の考え方はこのような感じです。
引き続き、これまで通り職責を果たして参りたいと思います。
【(稲毛区)市議補選】
こちらの方は一転、現実的な政治の話になります。
我々みんなの党は、今回、日本維新の会公認の阿部智候補を推薦し応援致しました。
1議席という厳しい戦いの中、自民党推薦候補(14239票)を僅差(916票)で破り、めでたく当選(15155票)されました。本当におめでとうございました。
私たちみんなの党と日本維新の会は「政策」もほぼ一致していますが、昨年の衆院選で候補者が共倒れとなった苦い経験から、夏の参院選・都議選では選挙協力(棲み分け)をして共闘する「予定」でした。
両党幹事長のご尽力により、この予定も順調に進み、今回市長選と一緒に行われたこの市議補選でも、その先取りとして、共闘体制で告示日を迎えました。
しかし、選挙戦がスタートして2,3日後に、維新の会の橋下共同代表による「発言」が発端となり、「基本的価値観」(国家観・憲法観・人権感覚)の違いから協力関係解消という事態に陥りました。
このまま応援し続けることは反党行為となる可能性もありましたが、私はみんなの党の議員である前に千葉市の有権者から選ばれた議員であるという観点で、「千葉市にとって一番ベストの選択肢は何なのか」と自問し、
人物本位・政策本位でみて、その答えは「彼を当選させること」であると確信し、毎朝夕夜の駅頭をはじめ、最終日の日付が変わるまで応援し続けました。
幸い、既にスタートを切っていたこの選挙では協力継続が認められ、処分などは無く、事なきを得ました。
冒頭でも述べましたが、この選挙は1議席を争う大変厳しい選挙でした。
「みんな+維新」vs「自民」という構図の中、相手の自民党も、地元の衆議院議員、県会議員、市議会議員が勢ぞろいし、まさに組織をあげて支援していました。
こうした中でも、我々みんなの党と維新の会の第3極が共闘すれば、自民党に勝つことが出来るということが立証されただけに、参院選での協力解消が惜しまれます。
「基本的価値観」は異なるが「政策」は共通。どっちを優先すべきか、いろいろと考えさせられます。
(写真:千葉日報5/29朝刊)
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